出典:EPGの番組情報
徹子の部屋 草笛光子[字]
~87歳…コロナ禍も“新恋人”の存在で!?~草笛光子さんが今日のゲストです。
◇ゲスト
草笛光子さんがゲスト。
◇番組内容
70代から始めたトレーニングにはまり、番組でも度々自慢の筋肉を披露していた草笛さんだが、コロナ禍の外出自粛や仕事の延期でやりがいをなくしすっかりだらけてしまった。だが、6月に聖火ランナーを務めることになっていたため「これではいけない!」と自分を鼓舞しトレーニング再開。実際はセレモニーだけになってしまったが、見事大役を果たすことができたと語る。また、毎日の癒やしになっているという“新恋人”の存在も!
◇おしらせ
☆『徹子の部屋』番組HP
http://www.tv-asahi.co.jp/tetsuko/ジャンル :
バラエティ – トークバラエティ
ドキュメンタリー/教養 – インタビュー・討論
福祉 – 文字(字幕)
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- 可愛
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- シラミ
- 新聞
- 青森
- 長生
- 本当
- イヤ
- お家
- お父さん
解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)
(黒柳)昨年からの自粛生活で
すっかり ご自分を
甘やかしてしまったというのが
今日のお客様
草笛光子さんでいらっしゃいます。
どうも こんにちは。
現在は 反省してですね
トレーニングも再開。
それから 今日は なんか
新しいボーイフレンドを
紹介してくださるそうなんで
楽しみにしております。
でも 自粛生活で みんなに
「外に出ないでね」って言われた?
外に?
「外に出ないで」って言われた?
でも 皆さん そうでしたでしょ?
その時はね。
ねえ。 でも 私
1人で 家にいるのが
嫌いじゃないですから。
なんか 夜…
私 夜型なんですよ。
そうなの?
ひどい時は
3時 4時まで起きてる。
そうなの? 本 読んだりとか?
まあ なんかやってますね
コトコト コトコト。
それで まあ 読んだり 見たり。
なんか 年取ったのは
寝る事が難しい事になってきて。
よく そう言いますよね。
ええ。
あなた どういう…
寝るのは どういう感じ?
下手くそ。
下手くそ?
寝ないで 起きてますから。
寝ましょう 寝ましょうと
思うんですよ。
今日こそ寝ましょう 今日こそって
思うんですけどね
その時になると なんか
目が らんらんとしちゃって
起きちゃう。
でも あなたは 横浜出身で
聖火ランナーに選ばれて
なんと そのために
トレーニングまでなさって…。
あっ すごい!
寒かった。
寒かったの?
だって これ
なんにも ひざまで… ねえ。
でも すごくキレイな
おみ足が出てて。
いやいやいや…。 ちょうど ほら
あまり良くないとこですよね
ひざが出るとこってね。
フフフ…。 まあね。
でも キレイじゃない? すごく。
いやあ…。
どこ走ったの? これで。
えっ?
どこ走ったの?
走らなかったんですよ。
走りたかったから 一生懸命
ここをね 鍛えてたんですよ。
毎日… そう
200メートル この辺ねとか。
全然 走れなかった。
へえ…。
だって こう もらって
また こっちに こうやって
もらって こうやって…
だけだった。
あっ そうなの?
セレモニーっていう感じ?
あれ 何キロぐらいあるんですかね
これ。
ちょっと重いですよね。
1キロちょっとって聞いたけど。
ちょっと… はい。
そんなもん?
それも 一生懸命ね…
その重さのものを
買ってきてもらって。
そうよね。
このくらい このくらいと
思ってたんですけどね。
なるほどね。
でも そういうものも
目標がないと
トレーニングも
うまくいかないから。
そうなんです。 ええ。
だから それ やっぱり
自分の体のためにも
「この日 走るの 走るの!」
「人の前で転がって
みっともないとこ
見せるんじゃない!」って
自分に
言い聞かせてたんですけれどもね
残念でした。
ところで なんか
新しいボーイフレンドが
お家に来るだか 呼んだ…
呼ぶだかっていうのは
なんなんですか?
あなた 前に ほら
うちの これ 来て
暴れ回って 新聞 ビリビリにして
まあ 大変な事をさせてしまって。
あの子 もう
いなくなったもんですからね。
あの子 いないの? もう。
寂しくて… ああ これ これ。
この子。 うん 可愛かったね。
暴れたんですよね。
うん そうよ。
新聞をさ なんか
朝 あなたの所に
くわえて
持っていくって話なのにさ
ここにあった新聞
ビリビリに破いて。
持ってこいっつったら
あっちの方から ダーッと来て。
どういう訳でしょうね? これ。
ビリビリに破いちゃって 新聞。
なんか… どうしちゃったのかと
思うくらい ビリビリでしたね。
そう。 全然 読めない。
それで よだれ垂らして
ビリビリにしたから
ただでさえも読めないところが
ぬれてるから もう 全然…。
そしたら… あの犬は
死んだんですって? なんか。
ええ。 もう ちょっと
年もね 年でしたし。
私の腕の中で亡くなりました。
本当に? うん…。
それで
そのあとは どうなんですか?
今でも… ねえ。
ちょっと いい子がいたらと
思いますけども
やっぱり あの… マロ。
マロが頭に染み付いちゃってて。
ああ そう。 あの可愛い子がね。
今日も… 毎朝
「いってくるからね」って。
まだね お骨を置いてあるわけ。
そうなの?
触って 「いってきますからね。
そばにいてちょうだいよ」。
だから いるわよ ここに。
そうね。 じゃあ 来てるのね。
でも 新しいボーイフレンド
っていうのを呼ぶのが
楽しみって聞いたけど。
なんです? それは。
偶然にね 私
駅のそばの花屋さんへ
行ってた時に
必ず ある時間に来る
ゴールデンレトリバーが
いたんですよ。
遠くの…。
ああー! これ?
この赤いの着てらっしゃるの
あなた?
私よ。 違う?
違って見えます?
ちょっと 帽子
かぶってるから…。
犬みたいに見えます? 私も。
犬には見えません。
この犬には
どうやって会ったんですか?
だから ここにいて
この花屋さんに
この犬が 前を通る…。
これが花屋さんなの?
通るわけ。
それで遠くの方から…。
駅ですから
人が いっぱい来るでしょ?
だから いっぱいの中で
遠くの方で 私が 手振るわけ。
わかるのよ。
可愛い。
あっ! って わかって
ハアハア… っていうと ほら
連れてらっしゃる ご主人が
こんなになりながら
ここへ来るわけ。
それで 食べるものをね 持って。
ささみをね ゆでたのを持って。
それが 彼は食べたいわけ。
可愛い。
いい子なんですよ。
すごく聞き分けが良くてね。
お行儀 ちゃんと いい…。
あなた こういう時
いつも ささみ
持って歩いてらっしゃるの?
この子に会う時は。
他のも持ちますよ。
まだ 他の食べ物も。
他の食べ物も?
ちょっと違うものをあげないとね
それだけじゃ可哀想だから。
可愛いわね でもね。
それまでは
ここで待ち伏せしてたんだけど
飼い主の電話番号がわかったんで
待ち伏せしなくても
よくなったんですって?
そうそう… 電話するの。
そうすると ご主人が
「はい はい」って出る。
「今 どこですか?」
「この辺にいます。
ここにいますから」
「あと何分です?」
「あと5分で そこへ行きます」
って言うと
待ってるわけ ささみ持って。
遠くの方からね
人が いっぱい歩いてる中でね
茶色いのが こう来るわけ。
私が パーッて こうやるとね
うわーって 飛んでくるんです。
走ってくるの? 可愛いわね。
そんな事…
そんな事してくる男性
いないからね。
こうなって走って…
向こうから 走ってくる…。
それで そのまんま
家へ来てもらったりね このごろ。
家へ来て あんよを
チョッチョッと拭いて
上がって
家の中 ガーッて歩き回って。
あっ そう。 可愛いわね。
よそのうちの犬を
可愛がってるんですよね。
だから また欲しいなと思うけど。
今 このぐらいの年だと
私が 先 死んじゃったら
あと どうする? っていう事で。
可哀想。
あなたは飼わないんですか?
私は 飼いたいけども
飼わないでいます。
どうして?
だって 犬の方が
長生きするでしょ 私よりも。
わかんないけど まあ…。
でも そしたら 可哀想じゃない。
あなたも長生きなさるわよ。
ありがとう。
あなたも長生きするわよ。
お互い
長生きすると思いますけど
でも やっぱり
そういう事を考えて…。
まあ 家族がいればいいですけど
私の場合は 一人じゃない?
だから 飼わないの。
ああ そう? 私も そう。
そうでしょ。
でも 飼いたいのは山々。
うん… まあね。
ある人は
「全部 あと 面倒見てあげるから
飼えよ」って言う人も
いますけどね。
そう? 言ってくれる人もいるの?
そういう風に。
じゃあ いいじゃない。 飼えば?
うん だけど…。
8月になると思い出すのは
戦争なんですけど。
やっぱり
戦争を体験した人間としては
やっぱり みんなに こういう事は
伝えたおいた方がいい
っていう事ってあるでしょ?
あなたも戦争体験ね…。
もちろん そうよ。
私も 学童疎開 縁故疎開
しましたね。
私も縁故疎開です。
どこ行ったの?
青森。
青森!
でも 横浜の空襲が激化して
それで 学童疎開で
いらしたんでしょ? どこかに。
家からね 歩いて
1時間ぐらいの所のお寺さんへ。
そんな近い所に?
そう 割と近かったんですよ。
ええー…。
学童疎開。
この真ん中の
横分けしてる
ちょっと白い着物 着てる
あれが私ですけどね。
可愛い うん。
この間 偶然に ここで…
巡り合っちゃったの
このお寺さんに。
このお寺に? うん。
「なんとなく この辺に 私
疎開してきたかもしれない…」。
「あら? もしかしたら…」。
学童疎開した このお寺だったの。
偶然 行っちゃったの。
随分 偶然ね。
うん だから…
なんか このごろね
そういう
昔の この偶然が回って…。
まあね。
そんな事ありません…?
あります。
でも あれでしょ? あなたは
その時に おばあ様が会いに…
その疎開…。
疎開っつっても
近い所だけども あなたの場合ね。
そこに おばあ様いらして
なんか あなたの事を
呼び出して おにぎり…。
おにぎり持ってくるの。
食べるもの
ありませんでしたものね。
もちろん。
あるのはシラミとノミね。
ああ…。
シラミ取るの うまかったわよ。
ギューッていうの。
で こういうのね。
そう。
そんな事うまくなったって
しょうがないのにね。
でも あの… シラミは
頭に お酢をつけて
置いておくとね
頭の中でね 膨れるのね
シラミの卵とシラミが。
膨れるの?
膨れるの。
それを こういう風にね なんか…。
あの ほら すく… あれ くし。
くしで… 細いくしがあったね
当時。
それで こうやるとね
取れるっていうね
そういうのやりましたよ 私。
あら お酢。
私 それ 知らなかった お酢。
お酢だと思う。
でも お酢も
もう その頃はなかったからね。
でも まあ 青森行った時は
あったのね そういうのが。
あなたは
早く お家に帰りたくて
熱があるふりしたりなんか
したんですって? そこで。
そうよ 帰りたかったですよ。
家族と離れて暮らすの
生まれて初めてでしたからね。
こんな つらい事なかったの。
ねえ。
毎日 先生の所に行って
「すみません
貸してください」って
こうやって こうやって… 温めて。
フフフフ…。
で だんだん…
毎日やってたんですよ。
そのうちに 先生が
「ちょっと出ましたね」って言って。
しめた! って。
お家へ帰れるから?
そうすると。
なんか 「脚気かな?」なんて
言ってくだすったんです。
そう…。
ああ この機を
逃がしちゃいけないと思って。
「ああ そうです… そうですか」
っていって
大急ぎで帰りました。
そう…。
そしたら お家へ帰れたの?
うん。
で うちは そんな思いまでして
学童疎開…。
私が 人と一緒に
暮らせない人ですから
うちっ子で。
だから
みんなで暮らそうっていって
うちじゅう 全部で疎開したの。
で それが富岡なの?
富岡… あの製糸工場の近く。
そこの生活はどうでした?
あのね 知らないお家の
6畳間に
4畳半が
ちょっとくっついてるだけの
こういう… 何もない所ね
障子とかがない所をお借りして。
ええー…。
みんな 痩せてますよね。
でも 縁故じゃないんですよ。
縁故がなくて
縁故じゃない所へ
うちの母と おばあちゃんと
妹と弟と また その妹…。
なんか 妹さん
亡くなったんですって? その頃。
そうです。 あの頃
ほら 食べ物がなかったでしょ。
牡丹杏っていうのかしら
こういうの。
あれをね
どこかで いただいたんだけど。
疫痢だか赤痢だかになって。
妹さんが?
ああ そう。
これ お父様とお母様と?
ええ。
抱かれているのが
あれが
亡くなった…。
ああ そうなの。
アキエといいます。
じゃあ 一番左側に
立ってらっしゃるのが あなた?
はい 私です。
そのお隣が おばあ様?
ええ。
でも 戦争って
こういう穏やかな一家が
あっという間に バラバラに
なっちゃうんですものね。
ねえ…。
でも あれですってね
なんか あなたのうちの場合は
空襲警報が鳴ると
妹さんの骨つぼを持って逃げる
っていうのが
あなたの役目だったんですって?
そうそうそう。
「空襲警報。 はい 逃げてください」
っていうと 私が持つ役…。
カタカタ カタカタいって。
アキエっていうんですが
「アキちゃん
さあ 逃げるからね」
「はい 一緒に行きましょう」
っていって
河原… 河原へ逃げるの。
あっ そう…。
でも 考えると あなたのお母様は
16歳で あなたを
お産みになったんだから
その時 お母様だって若いわよね。
そうですね。
だから 私はね
父の代わりに
私が母を守るって思ってましたね。
うん なるほど。
お父さんの代わり。
うん そうよね。
そのぐらい
しっかりしてたわよね。
まあ… 気持ちだけは しっかり。
母を守ろうと思いましたね。
そうね。
あなたは お母様と…?
父も出征しましたから。
あっ 出征した…。
私は 母と妹と弟と。
ああ…。
私は 横浜へ
父を置いてきちゃったから。
ああ そうなの。 まあね…。
でも 横浜に
お父様がいらっしゃると
やっぱり とても心配で
よく空を見てらしたんですって?
横浜の方。
うん それで 遠くの方で
ポッポッポッて
汽車が こう走るんですよね。
で 1人で 私ね
疎開の子っていって
勉強が もう遅くなってるんで
先生の所に習いに行くわけ。
1里ぐらいの道をね。
で 1人で
ずーっと田んぼを歩いてる時に
あっちの方…
汽車がポッポッポッといくと
あれに乗っていけば
横浜へ帰れるのにな。
お父さん どうしてるだろう?
って恋しくなっちゃって。
ある時ね お父さん
どうしてるかなと思ったら
こんな背の高い あの…。
トウモロコシ?
トウモロコシ。
トウモロコシの畑の中
歩いてたら
向こうから 自転車に乗ってくる
男の人がいたの。
誰だろう…?
そしたら それが父親だったのよ。
ええー! お父様だったの?
そう。
「お父さん!」っつったら
「光子!」っつって
田んぼの真ん中で。
うれしかったわね あれは。
うれしかったでしょ…。
うん。
随分 偶然ね でも それ。
そう。 そうやって
父が 時々来てくれました。
あっ そうなの。
お父様は 戦争には
いらっしゃらなかったの?
ええ。
三菱重工業っていう所で…。
そういう所にいらしたからね。
軍需工場っていうのかしらね。
そうそう はい。
でも そこで 私 初めて…
旅の人たちの
あれが来るわけですよ。
旅の一座?
そうそう。
それで 見たくて
しょうがないんですけど
まだ 小学校… 何年生かしら?
そう。 4年生か5年生。
4年生ぐらいでしたよね。
まだ 行っちゃいけないのに
弟を背負って
なんか…
遊びに行くみたいな顔をして
そーっと見に行ったりね。
見に行ったの?
はい。
だから その時に見た あの…
「ヤアー!」って… ねっ。
旅芝居。
そうそう。 その ずーっとあとに
金田一耕助さんの あの映画…。
私 旅女役者に
なったんですけどね。
映画で? うん。
その時にね
「ヤアー!」ってやった人が
口 開けて カー…!
キラッと光った気がしたんですよ
金歯。
舞台で?
そう。
「あれ していいですか?」って
市川崑さんに聞いたの。
映画の時?
「入れるの?」って言うから
「入れていいですか?」
って言ったら
「うーん…」
たばこをこうして
「いい」って。
で 三木のり平さんに
「大丈夫かしら? 金歯入れて」
って言ったら
あの頃は 金は 全部
供出しなきゃいけなかった…。
だから みんな
ここへ入れて 隠すんですって。
あっ そうなの。 ええー!
「隠すんだから
隠して入れていいよ」
っていうので
隠して入れて やりました。
そう…。
だから 少しはね
今の ためになってるの。
そうかもしれない。
それで 玉音放送…。
まあ 戦争が終わるっていう
玉音放送っていうのは
どこで お聴きになったの?
今 さっきの ほら…
うちじゅうで
ちょっと 痩せ衰えた一家が
こう ありましたでしょ。
あそこで聴いたの。
ええー!
じゃあ 疎開してる所で?
この辺で。
なんか よくわかんないけど
天皇陛下が
高い音で… 高かったのね。
陛下の声って高いんだなと
思って聴いて
終わった時に なんだか
よくわかんなかったんですよ。
うん わかんない あれで。
誰もわかんないのよ あの時は。
だから 「負けたのよ 日本は」
って言われて
「えっ…」と思ったけど
一瞬 「ああ お菓子 食べられる」
って思った。
お菓子がなかったから。
もちろんね お菓子なんて
全然 思ってもいなかった。
まず 食べられると思いましたね。
私 疎開してたでしょ 青森に。
だから あの放送を聴いた時
「なんですか?」って…
大人の人に 「どうしたんですか?」
って聞いたら
どうも 戦争が終わるらしいって
聞いたら
東京に帰れるって
それ 私 思いました。
父も兵隊に行ってたけど
帰ってくるだろうと思ったし
それが最初でしたね。
でも よかったわね
帰ってこられてね。
そう。 お菓子 食べたいなんて
その時 思わなかったもんね。
私は ほら…
そこから ずっと今に至って
食いしん坊なのかしら?
食べる事に とっても興味がある。
でも 横浜の家は
どうなったんです?
焼けなかったの?
だから…。
父と母の家は ちょっと
近いけども
ちょっと離れた所にあったんで
母の方の家は
広かったので
焼け出された家族が
2世帯か3世帯… ええ。
そこに同居してらした?
してましたね はい。
で その中の
1人の 女の子さんが…。
その頃 女の子さんが 私に
「受けなさい」っていって
歌劇を受けさせられた。
本当に?
うん。
「受けなさい」って言うから
「何? これ」って言ったんですよ。
そしたら 「光子さん 受けて」。
松竹歌劇団。
そうそう 歌劇団。
なんにもわかんないから。
芸能界なんて わかんないし
何がなんだか わかんないけど
「受けて 受けて」って
ずーっと言われてて。
そんなに言うなら
受けてあげようかなと思って
「じゃあ 受けてみる」って言って
受けに…。
浅草?
いえいえ。 あれはね 銀座。
銀座?
今の あそこ…
歌舞伎の劇場。
あっ 歌舞伎座?
そうそう 歌舞伎座。
あの裏にビルがあって
そこを こう 上がっていくと
学校なの 松竹の。
あっ そうなの。
でも 戦争が終わった時 お父様は
仕事は どうだったの?
うん… もう だって
父はクビですよ。
ねえ。 ああいう…。
そうよね。
三菱重工業。
うん。 だから 大変。
お母様が洋装を… 洋服?
小さなね お店 作って そこで。
ミシンで?
うん。 私 縫えるわよ。
あっ そう? お洋服 作れる?
男の人のスーツなんて
今だって くれれば縫える。
テレビ始まった頃 ずっと
『光子の窓』とか
やってらしたじゃない。
あの頃のお洋服って お母様
作ってらしたんですって?
そう。 だって あの頃 ほら
カラーじゃなかったから。
そうそうそう。
カラーはね 最後の…。
『光子の窓』が
カラーになったんですよ。
あっ そうなの?
それまで白黒。
白黒だとね 使う色はね
グレーしかないの。
そうそうそう。
それから こう ほら 細かい…
細かい柄は 一切ダメ。
そうそうそう。
そうすると 母が
ちゃんと切ってね
こうして しかも そう…。
『光子の窓』の所へ
車に乗って こうしながら…
「あっ できたわ!」って
持ってくるの。
それ着て 「窓を開けましょう」って
やってた…。
すごかったわね うん。
このオーバーも お母様が
作ってくださったの?
そうらしいわね。
何色だったかしら?
母 自分のコートとか
雨ゴート…。
雨ゴートって 着物のコートね
あれを みんな バラして。
それで 女学校の頃の…。
制服ってなかったんですよ。
で 赤いの。 赤いの着てる人
いなかったけど
「イヤだ お母さん 恥ずかしいから
イヤだ」っつったんだけど
「いいの いいの」って言って
赤いのを全部切って
洋服 作って
赤い洋服で通いました。
そうなの。 へえー…!
いろんな事がありましたよね。
ええ。
でも 戦争時代に 全然
戻りたくないけども あの…
電気もなければ食べ物もないし
みんながバラバラになった
あの頃の事を考えると
二度と… イヤだとは思うけど
ああいう経験したために
強くなったところはありますよね
私たち。
そうね! 私 本当にそう思います。
あれ やっぱり 経験してるのと
しないのとでは
こんな違いますよね。
そうね。 本当。
ろうそく立てて
電気の代わりをして
生きてきちゃった。
そうそう。
薪で…。
そうよね。
でも あれですかね あの…
いつか 疎開先の富岡に行って
ご覧になりたいって思う事
あるんですって?
うーん…。
時々 あそこねと思いますけど…
あまり行きたくないわね。
そうね。 私も
疎開してた青森に
ちょっと行ってみたいかなと
思うけど やっぱり…。
自分が思ってるのとね…。
どう変わったか。
どう変わって… どのくらいの
距離だったんだろうとかね。
あそこで何をしてたかって
やっぱり 思い出したいですよね。
『徹子の部屋』は
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